忖度なし。実力の世界

形は流れの中で、方向転換からの四股立ちや猫足立ちなどがあり、それに手技も加わるので、どうしても体勢がグラつきやすくなります。

このグラつきの原因は、目線が定まっていない、立ち位置が決まる前に上半身が動いている、重心がとれていない、上半身の力み、などが挙げられますが、特に初心者で多いのが、最初に述べたような目線が定まらず下半身がきまる前に手技に入ってしまうパターンです。
なぜならば、空手をやり始めて形の順番を覚えてくると、手技のスピードが自然と速くなり、その分、下半身との動きが一致しなくなるからです。

これを改善するためには、目線をしっかり定め、足のポジションがきまる直前に手技を動かし始める練習が効果的です。
たとえば、四股立ちの下段払いであれば、目標物に目線をすえ、立った状態から、ゆっくりと四股立ちをつくりながら、払い受けの動作に入ります。
そして、フィニッシュは先に下半身を安定させ、次に上半身がきまることを意識します。
足→手のイメージです。
この一連の動作を繰り返しコツが掴めてくると、今度は立ち位置から四股立ちへのスピードをあげ、手技はギリギリまで我慢します。
そして、足がきまる直前に手技に入り、下半身がきまった後、ほんの少し遅れて上半身がきまるようタイミングをはかります。
この感覚を覚えてくると、目線が定まり軸がぶれず、下半身の粘りが出てくるとともに安定度が増すので、体勢が崩れることはなくなります。
強く美しい形をうてるよう、日々の稽古をコツコツ続けていきましょう。

空手道は稽古を通じて礼節や感謝の心を育む場であると同時に、実力の世界でもあります。
よって、試合や審査に忖度はありません。
但し、ここでいう実力の世界とは、誰かと比べて優劣を判断するといったことではなく、自分のもっている身体能力を、より引き出せるようになることを意味します。

つまり、運動が苦手でも、たとえ非力であっても、今もっている体の力を発揮できるようになれば、十分に「空手を習っている人=受け・突き・蹴りが強く、速く、的確にできる人」の域に達することができるのです。
(逆に、本来もっている能力を出せないのは、無意識の間に力が入っている、初動の場所が間違っている、力が末端まで連動していない、股関節が動いてない等、きっと原因があるはずなので、まずは、それが何なのかを探り、取り除くことが大切です)

そして、試行錯誤の上、何らかのコツや感覚を掴めた時、それは目に見えない成功となります。
こうした目に見えない成功や達成感は、一朝一夕に得られるものではありません。
努力を積み重ねていくことでのみ、今持っている能力を発揮できる力、すなわち「実力」がついてくるのです。

あくまで趣味としての空手道ですが、達成感や喜びを得ることは、人生の意味や意義に気づくきっかけになる場合も少なからずあります。
また、自分なりのペースであっても時間をかければ、更に高みを目指すこともできます。
生活の一部として、空手道の奥深さを楽しんでいただきたいと思います。


【新型コロナウィルス5類相当への移行について】
本年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類相当に変更されることから、稽古時におけるマスクの着用は個人の判断といたします。

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