現在、当スタジオは新型コロナウィルスによる感染拡大に伴い、生徒の安全を最優先し休館しております。
先日は、皆さんにも休館の理由を説明し、ご了承をいただきました。
やはり、今般の状況を鑑みると、今後しばらくは慎重な行動をとらざるえません。
一刻もはやい終息を、ただただ願うばかりです。
個人的には指導ができない分、後回しになっていた用事を済ませたり、軽めですが自宅で稽古をしたりする日々が続いております。
そんな中、日ごと深刻になっていく世界や国内の状況をニュースで見ているうち、自分の中で、ある思いが浮かんできました。
それは、
私達は今、コロナウィルスという厄介な敵を通じて、何かを問いかけられているのではないか?ということです。
それが神様なのか、地球なのか、自分の良心なのか、誰からの問いかけかはわかりませんが、
『これからあなたは、何を優先して生きていくのですか?』
という、いわば、重要な課題を私達は与えられているのではないか、と思うのです。
おそらく、コロナショック後の世界は、仕事の有り様や、個人の価値観、心の持ち方に至るまで、全てが大きく転換していくような予感がしています。
一方、スポーツ界に目をやれば、プロでさえ、試合が延期や中止となっている中、我々一般人が積極的にスポーツをできる状況ではありません。
この機会に、あえて原点に立ち帰るならば、空手に限らず、アマチュアスポーツは、心と体を健全に保つことを目的としていることを私達は再認識する必要があるでしょう。
また、個人の目標達成や、試合に勝つための練習は、あくまで「人生において、いざという時の対応力や忍耐力を養うための場」であるとも言えます。
つまり、
「勝利のため」「自分達だけは大丈夫だろう」「今こそ稽古のチャンス」といった考えのもと、集団で稽古をするという行為は、感染の可能性が少ないとはいえ、回り回って高齢者や基礎疾患のある人達の命を奪ってしまう危険性があるということを忘れてはいけないと思うのです。
休みを余儀なくされ、十分に稽古できない悔しさはありますが、長い人生スパンから見れば、この難局も一時的なものでしかないことも事実であります。
そして、ある程度の楽観も大切です。
ただ根拠のない楽観は無謀でしかなく、やはり指導者と呼ばれる人達は、しばらくは慎重な判断を下すべきだと考えます。
この世界的パンデミックの終息は、1年先になるとも言われています。
ただ、空手に関しては、基本や型、筋トレなど、その気になれば家でもできます。
逆説的ですが、今こそ私達、空手愛好家は、鍛錬してきた心の強さを『自粛という行動力』で証明する時期であるとも言えます。
今後長期間、何かと行動が制限されますが、その分、時間の余裕が増えたとプラスにとらまえることも可能です。
空手だけでなく、例えば、今までの人生を振り返ってみたり、新しい考え方や価値観を模索するなど、あえて自分と向き合う機会を増やしてもみてもいいのではないでしょうか。
今の時期だからこそ、無から有を生み出す絶好のチャンスかもしれません。