中庸であること

今の自分を変えたい。

向上心や上昇志向は、日々の生活に刺激を与え、自分の可能性を広げてくれます。

しかしながら、前向きな思考が、必ずしも常にプラスに働くとは限りません。
情熱を持ちつつも、自分自身の思考と行動を観察することが大切です。
なぜならば、「変わりたい」は、やがて「変わらないといけない」となり、必要以上に自分を追い込んでしまうからです。

こんなことを思ったことはないでしょうか。

なぜ、できないんだろう
 ↓
やっぱり、自分にはムリなのか…
 ↓
いや!まだまだ、努力が足りないのだ!

「変わりたいけど変われない」といったジレンマは、成長の起爆剤となる一方で、自分へのプレッシャーになり、更に頑張ろうとします。
やがて、没入し、仕事や家庭まで犠牲にしてしまう…。
こうなってしまっては、いくら志があったとしても、我欲、ワガママでしかありません。
時に強すぎる上昇志向は、人生で大切なバランス感覚を麻痺させてしまう危険性があり、下手をすると自分自身が倒れます。
しかし、なぜそう極端になってしまうのでしょうか。

その原因は、「比較してしまう心」にあります。
人は元々、上を目指したり、競い合うことを好む生きものであり、目的を達成するために努力します。
しかし、あまりにも自らを厳しい目で見すぎると、理想と現実のギャップが劣等感へと繋がり、自分自身を否定してしまうことが習慣化されていきます。

つまり、向上心や上昇志向は、上手く制御しないと己を虐げてしまう諸刃の剣でもあるわけです。

私自身、空手を始めたのは30代で、当初は他の選手に全く歯が立たず、悔しくてたまりませんでした。
如何ともしがたい実力差を埋めようと、とにかく練習しました。
やがて努力の甲斐あって、40代でようやく勝てるようになり、ある程度の成績も残せるようになりましたが、その代償として肩を故障し、二度の手術をしたことで、結果的に選手寿命を短くしてしまいました。
また、怪我だけでなく、家庭の時間を削りながらの練習、ぬけない疲労による仕事への影響など、マイナス面がかなりあったことも事実です。
後悔はしていませんが、今振り返ると、常に空手を優先させていた生活は、やはり無理がありました。
もし当時の私に、今の思考があったならば、もう少し長く選手を続けれたのかもしれません。


勝った↔負けた
もっている↔もってない

できる↔できない

私達の気持ちは、どうしても、「ある」と「ない」の二極を行ったり来たりします。
しかし、

ふとした日常から、こうした基準や価値観が、さして重要ではない事に気づく瞬間があります。

たとえば何気なく空を見上げた時、青い空が視界いっぱいに広がっていたら、どんな感情を抱くでしょう。
きっと、ぬけるような青空に心を奪われるのではないでしょうか。
人は、美しいものを見た瞬間、自動的に心が動きます。
たとえ一瞬でも、誰かとの比較なんて忘れてしまっているはずです。
そこには、「変わらなければいけない」とか、「何者かにならなくてはならない」といった使命感などありません。
あるのは、ただ青い空を見て感動し、自分自身の存在を認めることができた喜びです。
そして、心の偏りや執着に気付くことができるのです。

仕事や勉強、習い事や趣味。

何事も、真剣に取り組むことは、素晴らしい事です。
大いにチャレンジするべきです。
ただし、
日々、自分へ問いかけることも大切です。

「今、頑張り過ぎていないか?」と。

不足と超過を避ける思考と行動は、己のバランス感覚を磨き、自分の体を守るだけでなく、人間関係を良好に保ちます。
常に『中庸』を意識し、日々過ごしていきましょう。


◆6月以降の稽古日程について
只今、緊急事態宣言発令により、休館しております。
再開につきましては、宣言解除後を目処としておりますので、日程が決まり次第、掲載致します。

【稽古に来られる皆様へのお願い】
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③せきやくしゃみの症状のある方は、ご遠慮ください。
④嗅覚や味覚に異常がある場合も、ご遠慮ください。
⑤2週間以内に、海外に行かれた方と接触があった方は、ご遠慮ください。
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